#9 DIGITAL ART 展
第9回展 DIGITAL ART
ブライアン・イーノは、自身のアルバム『ネロリ』について「メロディとテクスチャーの境目に存在
するような音楽を作りたいと思った。それほどあからさまなものではなくしかし注意を引くには十分
な程度の、とらえどころのない論理を持つ音楽を」「音楽のエッジ」(C.S.J.Bofop、1993年3月、対訳/す
ずきの助、CDライナーノーツ)と語っている。限りなく無音に近いイーノの音楽には宇宙の遠い星のきら
めきのような生命感がある。Ambient Musicの先駆者、Windows95の起動音、7700万通りのランダム
な映像作品、iPhone/touch用音楽生成アプリ、ヒューマン・インターフェイス等で先端的表現を提示
し、メディアを超えて多くの表現者たちに影響を与えてきた。本展[DIGITAL ART]はその一端を紹介す
るものである。 本展監修者 佐々木宏子
この展覧会では、さまざまなメディアを手法とするアーティスト3人の作品の中から、コンピュー
タ・プログラム(土屋貴哉)、サウンド・アート(八木良太)、写真(松蔭浩之)を選りすぐり展示
します。それらは一見ばらばらなメディアを用いた作品でありながら、それぞれに私たちを包囲する時
間と空間を裏返すかのような皮膜的な構造をもっています。フィジカル(物質的)からディジタル(非
物質的)な世界へと拡散し、離散化する芸術の精神性が、アンビエント(包囲的)でアノニマス(匿名
的)な無形の美を奏でる──それは音楽の美しさにとてもよく似ています。
本展キュレーター 楠見清
OKUSAWA CONTEMPORARY ART AND DESIGN DOCUMENTS
第9回 展 [DIGITAL ART] 会期 2013. 1/18(金)~2/9(土)
出品者 土屋貴哉、八木良太、松蔭浩之
場所 〒158-0083 東京都世田谷区奥沢 3-30-7 1F
東急目黒線奥沢駅下車徒歩2分・自由が丘駅徒歩6分
開場 火ー土 12:00~18:00 日月祝休み
ギャラリートーク 1月26日(土) ユーストリームにてLIVE 配信予定 (会場は先着20名まで)
14:00-15:00 土屋貴哉 (現代美術家) × 佐々木宏子 (現代美術家) × 楠見清 (美術編集者/評論家)[司会]
15:30-16:30 松蔭浩之 (現代美術家) × 八木良太 (メディアアーティスト) × 楠見清[司会]
16:30- ワインパーティーを行います
WEBサイトhttp://www.okusawa-documents.com
E-mail info@okusawa-documents.com
企画運営OKUSAWA-CADD 実行委員会
後援世田谷区教育委員会
特別協力 イムラアートギャラリー、ミズマアートギャラリー、無人島プロダクション、
BEATINK Inc、首都大学東京システムデザイン学部楠見研究室、
一般財団法人佐々木宏子財団
空間構成 佐々木理趣
キュレーション 楠見清
監修 佐々木宏子
出品作家プロフィール
土屋貴哉(つちや・たかよし) 1974年生まれ。01年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。
未使用スポーツ観戦チケットを集めた「小さく前へならえ」、地図の局部を1 /1スケールまで拡大し
た写真シリーズ「Adjust」など。昨年よりドメイン上で展開する作品シリーズを発表。http://www.dbbeam.
com/taw_os/
松蔭浩之(まつかげ・ひろゆき) 1965年生まれ。88年大阪芸術大学卒業。90年アートユニット
「コンプレッソ・プラスティコ」でベニスビエンナーレ・アペルト部門出展。以後、個展を中心に国
内外で活動。アート集団「昭和40年会」の会長としても知られる。http://mizumaart.
co.jp/artist/0220/
八木良太(やぎ・りょうた) 1980年生まれ。音響作品をはじめとして、オブジェや映像、インスタ
レーションからインタラクティヴな作品まで、多様な表現手法を用いて制作を行なう。モノの機能や
属性を読み替え、再構成して関係性や価値を反転させたり、経験や記憶を新たなコンテクストで再生
させる。主に音や文字,時間を題材に作品を制作。http://www.lyt.jp/
キュレーター・プロフィール
楠見清(くすみ・きよし) 1963年生まれ。美術編集者/評論家。『美術手帖』編集長を経て現在首
都大学准教授。2008年「Krazy!」展(バンクーバー・アート・ギャラリー)コキュレーター。共著
『現代アート事典』、『絵本の事典』ほか。著書『ロックの美術館』(シンコーミュージック)2013
年春刊行予定。